「見えない感染、国内でも」 和歌山の医師、ルート不明
押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は、和歌山県内の感染を受けて「感染経路のリンクが切れた事例の可能性がある。少なくとも、国内でも感染経路が追えない『見えない感染』が広がっていたことが明確になった」と話す。
これまでは、武漢市のある湖北省からの渡航者やその接触者を中心にウイルス検査が行われてきたが、「頭を切り替えるフェーズ(局面)になった」。
すでにこれらの地域から渡航はできなくなっている。「これからは、ウイルス性肺炎が複数発症しているといった兆候を素早く見つけ、新型コロナウイルスへの感染について地域に注意を促すことで、感染拡大のスピードを抑えていくことも必要だ」と話す。
新型コロナウイルス感染者の治療法は確立されておらず、かぜと同様の症状から始まることが多い。数日間は自宅で様子をみて、医療機関に患者が集中するようなことは避けなければならない。「これからは、医療態勢を守る方法を考えていくことが重要になる」と強調する。